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資金繰り表Q&A

  • Q1

資金繰り表は絶対に提出しなければならないんですか?

  • Q2

資金繰り表は1年分で大丈夫なのでしょうか。

  • Q3

資金繰り表に「会社設立費用」を入力しなくても大丈夫ですか?

  • Q4

信用保証協会の保証料は一括で差し引かれるので、資金繰り表もそのように書くべきですか?

  • Q5

月別創業計画書の利益の金額は資金繰り表のどことつながりますか?

  • Q6

減価償却費は資金繰り表のどこに書けばいいんですか?

  • Q7

預り金の入金は資金繰り表のどこに書けばいいのでしょうか?

  • Q8

収支計画書(資金繰り表)の中で税金の支払いはどこに書けばいいですか?

  • Q9

増資を行った場合、資金繰り表のどこに書けば良いですか?

  • Q10

売上代金が預金口座に振り込まれる場合、「現金売上」と「掛け回収」どちらですか?

  • Q11

1,000万の開業資金は少ないのでしょうか?

  • Q12

資金繰り表の金額には消費税は含まれますか?

  • Q13

損益計算書は税抜でした。税込の資金繰り表に直すにはどうすればよいですか。

  • Q14

個人事業主なら「⑦売上と仕入の資金繰り」の「会社設立費用」は削除して良いですよね。

  • Q15

営業支出のところに「事業主生活費」に記入しても大丈夫ですか。

  • Q16

個人事業主の決算月と所得税の支払い月はいつですか。

  • Q17

資金繰り表から決算書を予想することはできますか?

  • Q18

手元現金についても日次資金繰り表を作成する必要はありますか。

  • Q19

日次資金繰り表の形は自由ということですけれども、もっと簡単にしても良いですか。

  • Q20

公庫や信用保証協会が指定する資金繰り表の形式はあるのでしょうか。

  • Q21

社長が会社にお金を貸す場合、または回収する場合、資金繰り表のどこに書けばよいですか?

  • Q22

売掛金を受取手形で回収した場合、資金繰り表にどのように書けばよいですか?

  • Q23

製造業の資金繰り表は、製造業以外の場合と比べて、大きく異なる点はありますか?

Q1

資金繰り表は絶対に提出しなければならないんですか?
創業融資申し込みの必要書類ではないですよね?

A1

おっしゃる通り、
資金繰り表は創業融資申し込みの必要書類として指定されておりません。
資金繰り表がなくても創業融資を申し込むことはできます。
しかし、金融機関に「借金をきちんと返せます」と伝えるには、
資金繰り表を提出するのが一番です。

「そもそも創業計画書とは?資金繰り表とは?」で書いた通り、
売上利益の動きと実際のお金の動きはズレます。
利益が出ていても手元のお金がゼロという可能性もあります。

金融機関側としては、売上利益だけでなく、
毎月の借金を返すためのお金が会社にあるのか、気になります。
資金繰り表があると、お金の流れが分かるので、
金融機関は融資判断がしやすくなります。

実際、創業融資以外の融資では、
最も重要な書類として資金繰り表の提出を求められることが多いです。

希望する融資を得たいのであれば、できるだけ資金繰り表を提出した方が良いです。

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Q2

資金繰り表は1年分で大丈夫なのでしょうか。

A2

大丈夫です。
実績がまだない会社の見積りを長くやっても、意味がないからです。
創業融資では、開業後1年間の創業計画書を求められますので、
資金繰り表も1年分用意します。

1年でも長い方で、通常の融資では、
2ヶ月から3ヶ月分の資金繰り表で良いという金融機関もあります。

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Q3

法人を設立するにあたり設立費用が25万円かかりました。
資金繰り表に「会社設立費用」を入力しなくて大丈夫ですか。

A3

入力しなくて大丈夫です。
創業融資で作成する資金繰り表は、法人のものです。

会社設立費用は、会社を設立する前、
社長の個人的なお金から使います。
会社の資金繰り表に入力する必要はございません。

会社設立後、
社長が立て替えた設立費用は、
いつでも会社口座から引き出すことができます。
会社に資金余裕があるタイミングで精算すると良いでしょう。

融資申込上は、
「資金余裕がないのでお金を貸してください」とアピールしますので
資金繰り表上は、精算をしばらく保留にしておいた方が良いでしょう。
会社設立費用の精算を資金繰り表に書く必要はありません。

なお、創業計画書にも入力不要です。
創業計画書には、開業後の売上と経費、利益を入力します。
開業前の費用を入力する必要ございません。

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Q4

信用保証協会の創業融資を受けた場合、
お金が振り込まれる時に保証料が一括で差し引かれるので、
資金繰り表にもそのように書くべきだと思うのですが?

A4

厳密にいえば、おっしゃる通りです。
しかし保証料は融資金額の2%程度で少額であること、
そして説明を単純にするため、省略しています。
保証料を省略した資金繰り表が問題になったことは、これまでございません。

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Q5

月別創業計画書の利益の金額は資金繰り表のどことつながりますか?

A5

つながりません。利益とお金の流れは別物です。
利益と資金繰り表の「営業収支」は一致することもありますが、
基本的に一致しません。

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Q6

減価償却費は資金繰り表のどこに書けばいいんですか?

A6

書く必要はありません。
資金繰り表は現物のお金の流れを表します。
減価償却費はお金が動かない費用なので資金繰り表には書きません。

→減価償却費とは

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Q7

創業融資とは関係ないのですが、
例えば、預り金の入金は資金繰り表のどこに書けばいいのでしょうか?

A7

預り金を受けた時は「営業収入」のところに書きます。
預り金を返した時は「営業支出」のところに書きます。
売上、仕入、経費、設備の購入売却、借入の入金返済以外のお金の流れは
資金繰り表上、「営業収入」、「営業支出」に全部入れてしまいます。

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Q8

収支計画書(資金繰り表)の中で税金の支払いはどこに書けばいいですか?

A8

A7と同じく、
売上、仕入、経費、設備の購入売却、借入の入金返済以外のお金の流れは
資金繰り表上、「営業収入」、「営業支出」に全部入れてしまいます。
税金の支払いは「営業支出」の中に書きましょう。

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Q9

増資を行い、資本金となるお金が投資家から会社の口座に振り込まれました。
資金繰り表のどこに書けば良いですか?

A9

借入金などの資金調達関係のお金の動きは「財務収入」のところに書きます。
項目名は「増資による入金」などとします。

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Q10

売上代金が預金口座に振り込まれます。
商品を売ったその月に入金されます。
資金繰り表の「現金売上」、「掛け回収」のどちらに書けば良いですか?

A10

「掛け回収」のところに書きます。
商品をお客様に提供すると同時に現金を受け取れば現金取引、
商品をお客様に提供した後で現金を受け取れば掛け回収となります。

今回の場合、商品を提供した時点では現金を受け取らず、
後からその同じ月に、預金口座へ振り込まれるということですので、
「掛け回収」となります。

では、商品を渡した日の夕方に
預金口座へ入金があった場合はどうなるかというと、
商品を渡した時点では、現金を受け取っておりませんので、
これも「掛け回収」となります。

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Q11

年間売上5,000万、粗利600万の目標に対し、
1,000万の開業資金は少ないのでしょうか?

A11

開業資金が十分か、少ないかは資金繰り表から判断できます。

まず、実際の経営上の話として回答します。

【実際の経営上の話】

▼毎月の現金預金残高が毎月支出額の2ヶ月分ある場合

丁度良いバランスです。

▼毎月の現金預金残高が毎月支出額の3ヶ月分ある場合
残高が常に毎月支出額の3ヶ月分あると、
「お金を寝かせるのがもったいない、ちょっと多すぎる」
という意見も出てくると思いますが、
厳しい経済状況の中、手元資金は多いに越したことはないので、
問題ない範囲と考えます。

▼毎月の現金預金残高が毎月支出額の1ヶ月分程度の場合
売上が予定通りに上がらなかった場合、資金繰りがすぐに苦しくなります。
毎月の現金預金残高が多くなるよう、開業資金も増やした方が良いです。

次に、融資申請上の話として回答します(ややこしいですが)。

【融資申請上の話】

毎月の現金預金残高を

毎月支出額の1ヶ月分から多くても2ヶ月分とします。

そうしないと
「余裕あるし、融資は少なくていいですね」
と金融機関に判断されてしまい、減額される可能性があるからです。
売上を少な目に見積もったり、原価率を高めにして調整しましょう。
見積もりを慎重にする分には問題ありません。

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Q12

資金繰り表の金額には消費税は含まれますか?

A12

含まれます。資金繰り表は実際のお金の流れを表します。
代金の支払い、受け取りは消費税込みの金額で行います。
よって資金繰り表は税込みで記載します。
税抜から税込にする方法は、次のQをごらんください。

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Q13

月ごとの損益計算書から資金繰り表を作成したいと思います。
損益計算書は税抜でした。税込の資金繰り表に直すにはどうすればよいですか。

A13

■消費税10%がかかる項目
=売上、仕入、消耗品費等経費の税抜金額×1.1 
とします。
消費税軽減税率8%なら×1.08です。これで税込金額になります。

■消費税のかからない項目
=役員報酬、従業員給与、社会保険料、利息等はそのままの金額
で大丈夫です。

どの項目に消費税がかかるのかは、顧問税理士にご確認ください。

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Q14

個人事業主で開業する予定です。
資金繰り表に「生活費」を入れる必要があるということですけれども
どこに、その項目を入れればよろしいでしょうか。

A14

個人事業主の資金繰り表は、
事業主個人名義のすべてのお金の流れを表す必要があります。
事業以外の生活費も記載する必要があります。

生活費とは、
事業以外で生活に使うお金、食費やご自宅の家賃、遊びに使うお金などです。
ご自身に対する給与のようなものです。

以下のように
「支払利息」のすぐ上の空欄に
毎月かかる「事業主生活費」を手入力してください。

上の例は、事業主が生活費として毎月20万円使うことを意味しています。

食費、水道光熱費やご自宅の家賃の合計よりも、
「事業主生活費」があまりにも少ない金額だと、
「計画は現実的ではないのでは?」
と、審査面談で突っ込みをうけることになります。ご注意ください。

なお、生活費は「事業外」ですので、事業経費には含まれません。
月次創業計画書の売上利益の計算には関係ありません。

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Q15

エクセル「創業計画書と資金繰り表を自分で作る!」で
個人事業主の資金繰り表を作成しました。
営業支出のところに「事業主生活費」が表示されています。
生活費は事業外なのに営業支出にしていいんですか。

A15

特に問題ありません。
資金繰り表(キャッシュフロー計算書)のルールとしても、

■営業にかかるお金の流れは営業収支(営業活動によるキャッシュフロー)
■投資設備にかかるお金の流れは投資収支(投資活動によるキャッシュフロー)
■資金調達返済にかかるお金の流れは財務収支(財務活動によるキャッシュフロー)
■その他のお金の流れは営業収支(営業活動によるキャッシュフロー)
に記載するというルールになっています。

生活費支出は「その他のお金の流れ」なので、ルールに従い、
営業支出に含めています。

あくまで形式の1つですので、
生活費支出を営業支出に含めない形でも問題ありません。
自由に形式を変えてもかまいません。

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Q16

個人事業主の決算月と所得税の支払い月はいつですか。
資金繰り表にどのように反映させればよいですか。

A16

個人事業主の決算月は12月です。
法人と異なり、自由に決算月を選ぶことはできません。

よって、
エクセルの一番下「決算月に応じた税金支払月と税額」
決算月12月、支払月2月の税額
資金繰り表の項目「所得税等」の2月に入力してください。

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Q17

資金繰り表から決算書を予想することはできますか?

A17

資金繰り表から決算書、
つまり会計上の売上と利益を予想することは難しいと思います。
お金の動きと売上や経費の動きは、大きくズレることが多いからです。

3月決算の会社で、売上入金が1ヶ月後だとします。

3月時点でお客様に商品を渡しても、
資金繰り表上は3月売上が認識できません。
資金繰り表上は4月の入金時点ではじめて認識されるからです。

また、お金が動かない経費、
減価償却費という経費も資金繰り表では認識できません。

→減価償却費とは

お金の動きだけを見ていて、決算は黒字だと思っていたら、
実際は赤字だったというケースは結構あります。

決算月が終わるまで会計帳簿をほったらかしにするよりも、
半年でも決算3ヶ月前でも良いですので、
気になったら早めに
会計事務所などに帳簿作成を依頼した方が良いと思います。

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Q18

日次資金繰り表は、会社名義の各口座ごとに作成するということでした。

→日次資金繰り表を使う

では、現金はどうなりますか?
手元現金についても日次資金繰り表を作成する必要はありますか。

A18

現金商売で、毎日、大きい額の手元現金が動く、という場合、
手元現金についても日次資金繰り表を作成します。

手元現金が少額の小口現金のみの場合や
現金商売であっても、売上金をすぐに預金口座に預けているのであれば、
預金口座の日次資金繰り表のみで問題ないと思います。

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Q19

日次資金繰り表の形は自由ということですけれども、
もっと簡単にしても良いですか。
「売上」、「仕入」、「経費等」、「その他」の4項目を
「収入」、「支出」の2項目だけにしても良いですか。

A19

良いです。自由です。
項目名も分かりやすく付けて頂いてかまいません。

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Q20

資金繰り表の形式について質問です。
公庫や信用保証協会が指定する資金繰り表の形式はあるのでしょうか。

A20

資金繰り表は必須提出書類というわけではないので、
公庫、保証協会共に、指定された形式はありません。
「指定形式で作り直してください」
などと受け取りを拒否されることもありません。

当事務所が提供する形式の他にも、
インターネット上には、様々な形式の資金繰り表が提供されています。
ご自身がしっくりくるものを使うと良いです。
お金の動きが分かる形になっていれば、問題ありません。

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Q21

社長である私が会社にお金を貸し付ける場合、お金を回収する場合、
資金繰り表のどこに書けばよいですか?

A21

会社にとっては、
社長からの借入金の入金、借入金の返済となります。
資金繰り表上は、金融機関からの借金と同様、

社長借入金の入金=「財務収入」の項目
社長借入金の返済=「財務支出」の項目


として記入してください。

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Q22

売掛金を受取手形で回収しました。
資金繰り表にはどのように書けば良いですか。

A22

書く必要はございません。

資金繰り表は現金預金の動きを書きます。
売掛金が受取手形になった時点では、
まだ現金預金は動いていないからです。

受取手形を金融機関に取り立ててもらった時、
または割り引いて、預金に変えた時に、
資金繰り表「営業収入」に反映しましょう。

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Q23

当社は、製造業を営んでいます。
決算書は損益計算書、貸借対照表のほかに
製造原価報告書も作成しています。

→製造原価報告書の見方(製造業のみ)

資金繰り表を作成したいと思うのですけれども、
製造業以外の資金繰り表と比べて、異なる点はありますか?

A23

大きく異なる点はありません。
仕入の出金項目名が変わるだけです。

製造業以外の仕入支払項目は、「商品仕入」ですけれども、
製造業の仕入支払項目は、「原材料仕入」となります。
この点が変わるだけで、後は、ほとんど同じです。

資金繰り表は、入出金の流れを表すものです。
決算書の種類が増えても、資金繰り表の形式に大きな変化はありません。


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     ◆公認会計士
         ◆中小企業診断士
             ◆税理士事務所

所長の著書

  「税理士ができる
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