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楽しいかもしれない青色申告 決算前の使い方

「現金出納帳」、「現金経費帳」、「月ごと損益」シートの使い方

「預金出納帳」シート、「科目一覧」シートに引き続き、
決算前に使うシートについて説明していきます。

ソフトダウンロードと決算前に使う他シートについては、
次のリンク先をごらんください。

→ソフトのダウンロードはこちら
→「預金出納帳」、「科目一覧」シートの使い方

「現金出納帳」シートの使い方

現金出納帳も、単純に、
手元にある現金現物(小口現金)の動きそのままです。

まず一番上、「前期繰越」残高を入力します。
昨年12月31日時点の実際手元現金残高を
「差引残高」欄の一番上に入力します。
この例では5万円です。

開業1年目の入力方法は次のリンク先をごらんください。

→開業1年目の入力例

そして、色が付いていないところに入力していきます。
現金で購入したレシート、領収書などを元に入力していきます。
預金出納帳と同じです。「残高調整」ボタン機能も同じです。

→入力は品目ごと?レシートごと?
→現金出納帳には「現金」科目なし

消費税の申告をする場合、
入力方法を工夫する点も同様です。

→消費税申告のための入力方法

「マイナス調整」ボタンは後で説明します。

現金出納帳は、約3,000行(ひと月あたり250行)入力できます。

預金出納帳と現金出納帳のつながり

預金口座から現金を引き出す、または
現金を預金口座に預ける場合、
預金出納帳と現金出納帳はつながります。

例えば、預金口座から現金50,000円を引き出した場合、
本来、次のように入力します。

預金出納帳のお支払い金額=減少に50,000円入力すると共に、
現金出納帳の増加に同額を入力します。
逆に、現金を預金口座に預ける場合は増減も逆に入力します。
決算書を正しく作成するために必要です。

以上のように、
預金出納帳で「現金」を入力したら、
現金出納帳にも同じ日付で必ず
「普通預金」を入力する必要がありますけれども
よく忘れます。
また、口座から現金を出し入れする度に
両方の出納帳を行ったり来たりするのは
とても面倒です。

そこで、
入力忘れが防止でき、面倒がはぶける方法を紹介します。
「科目一覧」シートのところで説明した「生活費」を使うやり方です。

「生活費」と「マイナス調整」ボタンで手間をはぶく

預金出納帳から50,000円現金を引きだして、
その後さまざまな経費に使い、
決算(12月31日)時点で手元現金現物が10,000円
だったとします。

預金出納帳と現金出納帳をつなげて入力すると、以下のとおりです。

預金口座から事業用のお金を引き出して
サイフの中に移し、経費に使ったという流れです。

上記について今度は、「生活費」を使って入力してみます。
預金出納帳と現金出納帳をつなぐ必要はなくなります。

預金口座からの出金は全て生活費用に引きだしたことにし(赤い枠)、
後は経費を使う都度、生活費用のお金を事業用に入れた(青い枠)形にします。
現金出納帳残高がマイナスにならないように現金を入れています。

サイフの中のお金は基本的に全部生活費用だけれども、
使う瞬間に事業用に変わるというイメージです。
使わずに残った現金がある場合、決算で事業用に戻します(黒い枠)

預金口座から現金を引きだした日付も金額もつながっていません。
しかし決算後は結局、
預金出納帳と現金出納帳をつなげて入力した場合と
同じ計算結果になります。
それぞれの経費の額も預金残高、現金残高も同じです。

現金残高がマイナスにならないよう、
青い枠の生活費を入力するのが面倒だと思われるかもしれません。
そこは現金出納帳の「マイナス調整」ボタンが自動入力します。

ボタンの使い方を説明します。
下図のとおり、まずは現金残高を気にせず、
レシートや領収書を元に、出金だけどんどん入力します。
差引残高がマイナスになります。

ここで「マイナス調整」ボタンを連打します。

ボタンを連打すると、
マイナス残高が消えるまで「生活費」という科目が自動追加されます。
上記の青い枠と同じ入力内容になります。

→マイナス残高を放置

以上のとおり、
最終計算結果が同じなら、両方の出納帳を行ったり来たり、
照らし合わせる必要のない「生活費」を使う方法の方が
ラクですし、ミスも防げます。

「照らし合わせる必要がなくてラク」といっても、
現金支出のレシート類は毎月、結構な枚数になることがあり、
現金出納帳の入力は手間がかかります。

そこで次に、「現金経費帳」を使って
現金出納帳の手間を省く方法を紹介します。

「現金経費帳」シートでサクサク入力

「現金経費帳」シートを開くと、
上の方によく使う相手科目が項目として設定されています。

→項目は自由に追加変更可

使い方としては、該当する経費の欄に金額を入力するだけです。
日々の入力は日付と金額=数字だけですので、サクサク入力できると思います。
「日」欄は、例えば数字の「1」を入力すると、
自動で「1日」と表示されます。

月末に現金経費帳のひと月「合計」のみを
月末日付(例では4月30日)で現金出納帳に転記します。
相手科目は月に1回だけ入力すれば済みますので、
とてもラクな方法です。

→自動転記はされません

消費税の申告を行う場合、現金経費帳でも
軽減税率8%を区分しておく必要があります。

→軽減税率区分の例

この現金経費帳を使うかどうかはお好みです。

「現金経費帳という帳簿が増えてややこしくなる」
「現金出納帳の日付は1つ1つレシートに合わせたい」
「預金出納帳の形式と一緒の方がシンプル」

という方は無理に使う必要はありません。
目障りならシート自体削除してしまってかまいません。

消費税の申告を行う場合

消費税の申告を行う個人事業主の方の場合の注意点は
預金出納帳と同じです。

軽減税率の入出金をあとで集計できるようにするため、
摘要欄に目印をメモしておきます。

→預金出納帳の軽減税率メモ

「現金出納帳」シートの注意点

注意点は2つあります。

【1.日付は必ず入力】

日付のない項目は集計されません。
必ず入力してください。

預金出納帳と同様です。

→日付は必ず入力

【2.経費の2重計上に注意

預金出納帳と現金出納帳には、
同じ経費が2度入力されることはありません。
経費が2重計上されていると、
経費が過大=利益が少ない=税金が少ない
として税務調査で叱られます。

預金出納帳と現金出納帳の使い方まとめ

以上、預金出納帳と現金出納帳の使い方をまとめると、次のとおりです。

【預金出納帳】
■預金通帳の通りに入力(通帳やCSVデータコピー貼り付け)
■現金の引き出し、預け入れは「現金」を使わず「生活費」
■消費税の申告を行う場合、軽減税率の入出金は、摘要欄にメモ書き

【現金出納帳】
■残高は無視して、とりあえずレシート、領収書の出金を入力
   「現金経費帳」を使ってひと月合計のみを転記する方法も可
■マイナス残高になったら「マイナス調整」ボタンを連打
■預金預け入れは「普通預金」を使わず「生活費」
■消費税の申告を行う場合、軽減税率の入出金は、摘要欄にメモ書き

現金と預金口座のやり取りには「生活費」を使うのがポイントです。
預金出納帳と現金出納帳を別個独立に入力でき、
つながりを気にする必要はなくなります。

「月ごと損益」シートの使い方

預金出納帳と現金出納帳に入力した
損益項目(=売上や経費など損益計算書の項目)を
月ごとに集計するシートです。

→項目が集計されない場合

画面上の方にある「出納帳取込」ボタンを押すと集計が始まります。
入力するものは何もありません。

厳密な会計ルール上の売上利益とは異なりますけれども、
経営分析に使えます。

→会計ルール上の売上利益
→経営分析について

預金出納帳と現金出納帳を12月31日まで入力したら、次は決算となります。

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西田恭隆(nishida  yasutaka)
     ◆公認会計士
         ◆中小企業診断士
             ◆税理士事務所

所長の著書

  「税理士ができる
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