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人を雇って創業するなら「キャリアアップ助成金」

まずは一定期間、
契約社員や派遣社員、パートタイマー、アルバイトなどの
非正規社員を雇って様子をみたい、
事業が軌道に乗ってきたら正社員化を考えたい」

という創業者の方には
「キャリアアップ助成金」
がオススメです。

非正規社員を正社員にすることで
1人当たり50万円前後の助成金がもらえる制度です。
厚生労働省が実施しています。

キャリアアップ助成金にはさまざまな種類(コース)があります。
非正規社員を正社員にすることへの助成のほか、
職業訓練への助成や賃金規程改定、諸手当制度、
健康診断制度への助成もあります。

ここでは、
創業者にとって一番使い勝手が良い
「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」
を取り上げます。

それでは、順番に、

▼キャリアアップ助成金(正社員化コース)の内容

▼申し込みからの全体の流れ

▼メリットとデメリット

▼申し込むにあたっての注意点

を説明していきます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の内容

対象となる方

助成金を受けるための主な要件は3つです。

【1.キャリアアップ計画書を作成してハローワークの事前承認を受ける】

誰が、いつまでに、何人の非正規社員を、
どのようにして正社員にしていくのか、計画書を作成して
ハローワークの承認を受けておく必要があります。

詳しくは、「全体の流れ」で説明します。

【2.非正規社員の方を正社員にした後、6ヶ月以上雇って、給与アップする】

契約社員や派遣社員、パートタイマー、アルバイトなどの方を
正社員にしてから6ヶ月以上雇って、賃金を支払う必要があります。
支払った方々が助成金対象となります。

支払う金額にも条件があります。
正社員にする前6ヶ月間の賃金合計額よりも
正社員にした後6ヶ月間の賃金合計額が5%以上アップしている必要があります。

例えば、

正社員にする前6ヶ月間の賃金合計額が100万円であれば、
正社員にした後6ヶ月間の賃金合計額は105万円以上である必要があります。

これらの証拠書類として、
社員名簿、賃金台帳(給与台帳)、出勤簿、就業規則などを
整備する必要があります。

【3.社会保険に加入している】

非正規社員の方を正社員にする時点
会社または事業主が社会保険に加入している必要があります。
社会保険は雇用保険、健康保険、厚生年金です。
創業後、早めに加入手続をすませましょう。

助成金額

非正規社員の方との契約が
「有期契約」か「無期契約」かによって金額が変化します。
有期契約とは、「○年○月○日まで」という期限のある契約、
無期契約とは、そのような期限の無い契約です。

正社員化

1人あたり助成金額

有期契約非正規 → 正社員

57万円

無期契約非正規 → 正社員

28.5万円

有期契約非正規 → 無期契約非正規

28.5万円

(注)平成30年4月時点

 

→東京都の上乗せ支給

正社員化だけではなく、
非正規社員を有期契約から無期契約にする場合も助成されます。

もらったお金について
使いみちの制限はありません。

申し込むタイミング

キャリアアップ計画の事前承認については
ハローワークにいつでも申し込めます。
助成金を得るための行動は、いつからでも開始できます。

ただし、
上記3つの要件を満たしたあと、
助成金支給を申し込む時期には締め切りがあります。
非正規従業員の方々を正社員にしてから
6ヶ月分の賃金を支払った日の翌日から2ヶ月以内に
ハローワークに支給申請する必要があります。

キャリアアップ助成金(正社員化コース) 申し込みから全体の流れ

キャリアアップ助成金(正社員コース)全体の流れは次のとおりです。

管轄ハローワークにキャリアアップ計画書を提出して承認を受ける
キャリアアップ計画書の様式と記入例は
厚生労働省やハローワークのホームページで入手できます。

→厚生労働省ホームページ

計画書の中に
「キャリアアップ管理者」を記入する欄がありますけれども、
これは経営者が担当できます。誰か特別に採用する必要はありません。

創業融資の創業計画書と比べると、
それほど難しくありません。

ハローワークが受付窓口、労働局で承認となります。
受付時のチェックに問題がなければ、
承認まで時間はかかりません。1週間前後です。

社会保険に加入、キャリアアップ計画を実行して、正社員化
実行に合わせて出勤簿、賃金台帳も整備します。
正社員化のルールも就業規則に明記し、
これに従って正社員化する必要があります。

ハローワークに助成金支給を申し込み
正社員化した従業員の方々を引き続き6ヶ月雇い、
6ヶ月分の賃金を支払った日の翌日から2ヶ月以内に
支給申請します。
申請書類一式は管轄の労働局ホームページ等で確認できます。

助成金が支給
申請書類は数ヶ月間にわたってチェックされます。
書類の不備を指摘された場合、修正対応が必要となります。
支給要件を満たしていると認められればお金が振り込まれます。
お金が振り込まれるまで半年程度かかります。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)のメリットとデメリット

メリットはお金がもらえること、
しかも要件さえ満たせば、確実に受けられるという点です。
デメリットは、毎度ですけれども、面倒くさいことです。

メリットとデメリットのバランスを取り、
社会保険および労働事務の専門家である
社会保険労務士に支援を依頼するのが
現実的かもしれません。

【メリット】

上記「助成金額」で説明したとおり、
従業員1人あたり50万円前後の助成が出るのはメリットです。
創業して間もない、余裕の無い時期に
お金をもらえるのは助かります。

→税金でメリット減?

また、キャリアアップ助成金は
申込資格要件さえ満たせば確実に受けられます。
申し込んでも受けられるかどうか分からない
創業助成金や小規模事業者持続化補助金とは違い、
「一生懸命準備したのに全部無駄になった」
というリスクは少ないです。

【デメリット】

上記で説明したとおり、助成金をもらうためには、

■キャリアアップ計画書の作成
■社員名簿、賃金台帳(給与台帳)、出勤簿、就業規則の作成
■社会保険の加入手続
■助成金支給申請書類の作成

といった書類作成や手続が必要になります。
専門知識の無い方がご自身で申請する場合、
時間と手間がかかります。

メリットが多少減っても良いから
できるだけ手間をかけずに助成金を得たい、という方は
社会保険労務士に支援を依頼すると良いです。

社会保険労務士に依頼する【メリット】【デメリット】

社会保険と労働事務の専門家に依頼すれば
上記書類の作成を代行してくれますので、
負担が大幅に減るメリットがあります。

ただし、
獲得した助成金額の一定割合を報酬としてお支払いする必要があります。
自由に使えるお金が減るのはデメリットです。
料金体系は、着手金の有無や成功報酬など、
社労士によってさまざまです。

メリットとデメリットを比較した上で、
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の利用を検討しましょう。

当事務所のお客様の場合でいえば、
社会保険労務士に依頼される方が多いです。

→当事務所が提携する社会保険労務士はこちら

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を申し込むにあたっての注意点

他の助成金や補助金と同じく、

【注意点1.助成金補助金は後払い】
【注意点2.助成補助対象は1年目のみ】
【注意点3.助成金補助金をもらうことが目的ではない】

という点に注意する必要があります。

詳しくは、創業助成金のページをごらんください。

→創業助成金を申し込むにあたっての注意点

キャリアアップ助成金(正社員化コース)まとめ

創業者の方で、
まずは非正規社員を雇い、様子をみたうえで正社員化を考えたい、
という方はこの助成金に申し込むと良いです。

ただし、補助金同様、
この助成金を受けるためには様々な書類の準備や手続が必要です。

多少お金が減っても、社会保険労務士に依頼するのか
多少時間をかけても、自分でやってお金を残すのか
メリットとデメリットを比較して判断しましょう。

キャリアアップ助成金については、Q&Aにも情報がございます。

→キャリアアップ助成金Q&A



これまでに紹介したもの以外にも
様々な助成金、補助金があります。
次は、その探し方について説明します。

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西田恭隆(nishida  yasutaka)
     ◆公認会計士
         ◆中小企業診断士
             ◆税理士事務所

所長の著書

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