損益計算書と貸借対照表のうち、どちらが重要かといえば、
損益計算書が重要です。
会社が1年間どれだけ努力したのか(=経費)
その結果、どれだけ成果を得られたのか(=売上利益)が分かるからです。
今年の損益計算書と事業計画書、去年の損益計算書を比較することによって
経営判断に有益な情報を得ることができます。
一方、
貸借対照表は、現在時点の会社財産を意味するにすぎません。
今すぐ会社をつぶす、財産を全部売り払ってしまう、
という時にはどれだけのお金になるか、
現在の財産価値に意味が出てきます。
しかし、
みなさまは会社をずっと継続していく前提で経営をしていると思います。
会社を継続していく前提においては、
会社を今すぐつぶす前提の貸借対照表の金額にあまり意味はありません。
有益な情報は少ないです。
金融機関側の融資判断においても、
損益計算書が重要です。
「減価償却費とお金の関係について」の中で
「会社が稼ぐお金=当期純利益+減価償却費」と説明しました。
どちらも損益計算書に載っている項目です。
お金を稼いで借金を返済できるという
借金返済能力は損益計算書から判断できます。
利益が多いほど、借金返済能力も高くなりますので、
融資を受けられる可能性は高まります。
債務超過になっていないという
貸借対照表の状態も大事ですけれども、
これを見ても、借金返済能力は判断できません。
以上より、
経営判断においても、融資判断においても
重要なのは損益計算書です。
「正直、貸借対照表の見方は良く分からない」という方は、
とりあえず損益計算書の見方だけ理解しておけば良いです。
損益計算書は上から下へ、売上から経費を引いていくだけですので、
分かりやすいと思います。
次に、損益計算書と貸借対照表の関係を説明します。
この関係を知っておけば、
経理担当者や会計事務所が作った決算書の数字が合っているか、
社長自身が短時間でざっくりとチェックすることができるようになります。
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