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ベンチャーキャピタルという言葉を
ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。
「創業間もないベンチャー企業『株式会社○○』が
ベンチャーキャピタルから5億円の出資を受けました!」
資本金1,000万円以下の会社からみると、
億単位の資金調達は異次元世界の話のように聞こえます。
上場を目指す会社でないとダメなんだろうなあ…
そもそもベンチャーキャピタルと知り合う機会が無いし…
大富豪や大企業社長との人脈がないと
ベンチャーキャピタルから出資は受けられないんだろうなあ…と
腰が引けてしまいがちです。
そんなことはありません。
インターネット上には、
創業者とベンチャーキャピタルのマッチングサイトがあります。
多くの投資家がサイトに登録しています。
創業者が様々であるのと同様、ベンチャーキャピタルも様々です。
数百万円程度の出資をしたいと考える投資家もいらっしゃいます。
インターネット上で協力を呼びかければ、
ご自身の事業規模に合ったベンチャーキャピタルを探すことができます。
ただし、マッチングサイトの利用にはお金がかかります。
1万円前後の月額登録料や、投資家と接触するのにお金がかかったりします。
資金調達時の成功報酬はゼロ円のところが多いです。
料金や条件内容を検討のうえ、
事業者としてサイト登録し、
マッチングするのを待ちます。
投資家とのマッチングが決まったら、直接、面談となります。
▼投資家とメールや電話で連絡を取り、面談日時を調整
面談当日までに、事業内容について、
具体的な質問があっても答えられるように準備しておきます。
いつまでに、いくら資金が必要なのか、説明できるようにしておきます。
説明にあたっては、
事業計画書および資金繰り表、決算をむかえている場合は決算書があると
説得力が増しますので準備しておくと良いです。
株価算定書を求められた場合、それも準備しておきます。
↓
▼投資家と面談し、投資条件を交渉
いつまでに、いくら資金が必要なのか、
大筋合意となった後は、投資条件の交渉となります。
交渉面談は複数回行われることが多いです。
投資家はボランティアで投資をするわけではありません。
もうけが出るような投資契約条件を求めてきます。
上場後の利益を求める投資家であれば、
それに向けた目標設定、定期的な報告を求めてきます。
一方、
上場は求めていない、経営にも関心がないという投資家であれば、
毎年の配当や、数年後に会社が投資家の株式を買い取るよう
条件を付けてくる場合があります。
出資ではなく、融資を希望する投資家もいます。
ご自身の経営方針および資金調達の必要性を考慮して、交渉する必要があります。
↓
▼投資契約を締結、会社口座に入金
投資条件がまとまったら、投資契約の締結となります。
指定日までに、指定金額が会社口座に入金されます。
その後は、投資契約に従い、
目標の達成状況報告、配当や金利の支払い、返済を行っていきます。
以上が流れです。
ベンチャーキャピタルとの交渉においても、
事業計画書や資金繰り表が必要となります。
創業融資で身に付けた
創業計画書や資金繰り表の作成方法は、そのまま使えます。
メリットは3つ、
デメリットは2つあります。
【メリット① マッチングから入金までのスピードが早い】
ベンチャーキャピタル投資家とマッチングが決まり、
投資条件の交渉が円滑にすすめば、すぐに契約締結となります。
1ヶ月以内の入金も可能です。
日本政策金融公庫の創業融資と同じくらいの早さです。
助成金や補助金と異なり、
前払い入金ですので、すぐに事業に使えます。
ただし、
マッチングが決まるまで時間がかかる場合があります。
交渉が難航すれば、その分時間がかかりますし、
交渉決裂で終わることもあります。
【メリット② お金の使いみちは自由】
ベンチャーキャピタルから出資または融資を受けたお金は
基本的に自由に使えます。
創業融資では、設備資金目的で融資を受けた場合、それにしか使ない、
助成金や補助金も、対象経費に使った分しか補助されない、
という制限があります。
ベンチャーキャピタルからのお金は、このような制限はありません。
ただし、投資家によっては、契約条件の中に
「株式投資や貸金に使うのはNG」という制限を加えてくることがあります。
【メリット③ 自己資金は関係なし】
創業融資の場合、
融資額は自己資金の2倍~3倍が相場です。
自己資金が少ないと得られる融資も少額となります。
一方、
ベンチャーキャピタルの場合、
自己資金と出資額または融資額に関係はありません。
自己資金が少ない方でも資金を調達できるチャンスがあります。
事業の内容、将来性、成長性が重視されます。
事業経験については、
将来性、成長性の根拠となりますので、
創業融資と同様に重要となります。
【デメリット① 社長の経営権が弱まる】
法律ルールで、会社の株式全体のうち、
過半数(51%以上)を持っている株主が
会社の経営について決定権=経営権を持ちます。
役員の選任や解任、役員報酬の変更だけでなく、
会社自体を売り払うことも可能になります。
ベンチャーキャピタル投資家から出資を受けると、
社長の株式保有割合が低下し、経営権が弱まります。
例えば、最初、会社の株式数が全部で100株だったとします。
その後、ベンチャーキャピタルから200株の出資を受けるとします。
▼社長保有株数100株÷発行済株式数100株=社長保有割合100%
↓200株出資を受ける
■社長保有株数100株÷発行済株式数300株=社長保有割合33%
■投資家保有株数200株÷発行済株式数300株=ベンチャーキャピタル保有割合67%
社長の株式保有割合は100%から33%に低下しています。
過半数51%に満たなくなり、こうなると、社長1人では何も決定できません。
経営の全てについて、ベンチャーキャピタル投資家の承認が必要となります。
会社が乗っ取られた状態です。
役員報酬の変更も自由にできなくなりますし、
投資家の意向によっては、突然、社長を解任されるという状況もありえます。
立場が不安定となり、安心して経営に専念できなくなります。
経営権をできるだけ弱めたくない、という場合は、
株式保有割合について事前交渉しておく必要があります。
他にも、出資ではなく、
融資の形でお金を出してもらえないか、
交渉してみましょう。
【デメリット② 投資を受けた後の手続が必要】
ベンチャーキャピタル投資家は様々な条件を提示してきます。
・毎月、会計帳簿を提出して、実績を報告してください
・毎年、税務署に提出した決算書と申告書を提出してください
・融資の場合、毎月一定額の返済と利息の支払いを行ってください
・利益が出たら、毎年、配当を行ってください
・5年後に、出資額の2倍の金額で会社の株式を買い取ってください
・投資家側に、必要に応じて、帳簿チェックを行う権利を与えてください
条件負担を受け入れる代わりに、お金を出して頂いたのですから、
それに従う必要があります。
以上、
ベンチャーキャピタルについて説明しました。
「創業融資だけでは、ちょっとお金が足りない」という方は、
メリット、デメリットを比較して活用を検討されると良いです。
投資家は世界中に存在します。
関東の会社が北海道の投資家から出資を受けることも可能ですし、
日本国外の投資家から出資を受けることも可能です。
ベンチャーキャピタルについては、Q&Aにも情報がございます。
インターネットを使って資金協力を呼びかける方法として、他にも
クラウドファンディングという方法があります。
次に、これを説明します。
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