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みなさまの毎月給与から差し引かれている源泉所得税は
ざっくり計算したものです。
そこで、毎年12月に
1年間の給与にかかる所得税を、正確に計算し直します。
これを年末調整といいます。
ほとんどの方の場合、年末調整によって、
多く差し引かれた税金が還付=戻ってきます。
年末調整に必要な情報のやり取りは、
以前は紙や郵送でした。
国税庁の「年末調整」無料アプリを使えば、
パソコンやスマートフォンから
電子データでやり取りすることができるので、便利です。
それでは、順番に
▼アプリを使った年末調整全体の流れ
▼アプリのダウンロードと更新(アップデート)
▼スマートフォン版アプリの入力とデータ提出方法
▼アプリの一時保存と入力再開
▼アプリに入力した情報を消す方法
▼アプリはアンインストールせずに残しておく
を説明していきます。
アプリ内にも説明文やヘルプがあります。
ここでは全体の流れや、ややこしそうな点を中心に
ざっくり説明していきます。
役員や従業員の方々
それぞれのスマートフォンやパソコンに
年末調整アプリをダウンロード、インストールして頂く必要があります。
氏名や住所、生年月日、ご家族の情報や
今年に支払った保険の情報、住宅ローンの情報などをアプリに入力していきます。
最後まで入力するとアプリから電子データが自動出力されます。
それを経理担当者や会計事務所にメール等で送信すれば完了となります。
経理担当者や会計事務所は、
そのデータを元に、年末調整の計算を行います。
計算結果の還付金額等については、別途、給与明細で通知されます。
このアプリは
年末調整に必要な情報を、電子データで提出するという機能があるだけです。
このアプリで年末調整の計算が行われるわけではありません。
アプリに入力したら、すぐに還付金額が分かる、というわけではありません。
データは翌年度のアプリに引き継ぐことができます。
毎年、同じ情報を入力する手間が省けます。
年末調整が終わった後も、アンインストールせずに残しておきましょう。
国税庁の無料アプリ「年末調整」は、
スマートフォン版とパソコン版があります。
ダウンロード方法は以下の通りです。
使用する機器 | android版 | iPhone版 |
スマートフォン | Play ストアで 「年末調整 国税庁」と検索 | App Storeで 「年末調整 国税庁」と検索 |
使用する機器 | Windows版 | Mac版 |
パソコン | Microsoft Storeで 「年末調整 国税庁」と検索 | App storeで 「年末調整 国税庁」と検索 |
国税庁の無料アプリ「年末調整」が見つかったら、
ダウンロードをして、スマートフォンまたはパソコンにインストールしてください。
令和4年度版アプリがスマートフォンにインストールされている場合
令和5年度版をダウンロード、インストールすると
下図のような画面が表示されます。
アプリを起動して、ホーム画面にいきます。
ホーム画面の「作成の流れ」には
上図「アプリ全体の流れ」の内容が細かく文章で書いてあるだけです。
右上の「メニュー」ボタンは、ほとんど使いません。
無視して結構です。
赤い枠を選択して、作成に進みます。
年末調整でどの種類の所得控除(税金が少なくなる特典)を
受けられるのかは、人によって様々です。
ご家族のいる方は「扶養控除」、配偶者がいれば「配偶者控除」、
生命保険や地震保険に加入している方は「保険料控除」、
住宅ローンを払っている方は「住宅借入金等特別控除」を
受けられる可能性があります。税金が安くなります。
種類が多く、受けられるかどうか、ご自身で確認するのは手間です。
そこで、下図の指先が示しているボタンを押します。
簡単な質問に答えるだけで、
受けられそうな控除を、アプリが自動判定してくれます。
質問の回答が終わったら
「申告書作成へ進む」ボタンを押します。
氏名や生年月日、住所などを入力していきます。
ここでは、ややこしい点のみ説明します。
▼令和5年中の所得の見積額
「給与収入」には年間の額面金額(年収)を入力します。
その下の「給与所得」は、自動計算されます。
「まだ12月分の給与をもらってないんだけど…」
と思われるかもしれませんけれども
ざっくり見込みで大丈夫です。
毎月の給与や昨年の給与を参考にします。
数百万円の誤差がなければ大丈夫です。
▼配偶者の令和5年中の合計所得の見積額
「計算表」ボタンを押します。
配偶者の方がパート勤務だけしている場合、
「給与以外の所得がありますか?」→「いいえ」にします。
給与所得の
「収入金額」→年間の見込額面金額(年収)を入力
「特定支出」→ゼロ
にして「計算する」および「計算結果を反映する」ボタンを押します。
▼従たる給与についての扶養控除等申告書の提出
初期設定どおり、「無」で大丈夫です。
▼IDパスワードの入力
画面一番下の入力項目です。
パスワードは自由に設定して頂いてかまいませんけれども、
IDは分かりやすい氏名にした方が良いです。
誰から提出されたデータなのか
経理担当者や会計事務所側が把握しやすくなるからです。
次に、給与支払者=勤め先の会社情報を入力します。
会社名、会社住所などです。
▼給与支払者情報インポート
「インポートしない」を選択して「次へ」を選びます。
会社情報の入力画面になります。
▼法人番号
入力する必要はございません。
基本情報の入力内容を確認したら
各種書類の作成に進みます。
今年支払った保険料の情報を
保険会社から電子データで受け取っている場合、ここで「インポート」します。
特に受け取っていない、ハガキで受け取っているのであれば
「インポートしない」を選んで先に進みます。
控除を受けるには、そのための申告書類を作成する必要があります。
書類の一覧が表示されます。
最初に入力した質問回答による自動判定と基本情報の内容を元に、
作成すべき書類にあらかじめチェックがされています。
例えば、以下のような感じです。
アプリに従って作成を進めていきます。
・令和5年分の扶養控除等(異動)申告書(上から1つ目)
・令和6年度年分の扶養控除等(異動)申告書(上から2つ目)
・基礎控除申告書(上から4つ目)
この3つには必ずチェックが入ります。
他の申告書は、みなさまそれぞれの状況に応じて
チェックが入っているか確認します。
・年収201万円以下の配偶者がいる方→配偶者控除等申告書にチェック
・保険料を支払っている方→保険料控除申告書にチェック
・住宅ローンを支払っている方→住宅借入金等特別控除申告書にチェック
チェックが無い場合は、四角ボタンを押してチェックを入れます。
チェックを確認したら、「確定」ボタンで書類の作成に進みます。
画面に表示される内容に従って、入力していきます。
ここでも、ややこしい点を中心に説明します。
▼「扶養控除等異動申告書」は2年分作成
ご自身が養っている親族(扶養親族)の情報を
「扶養控除等異動申告書」に入力します。これを提出することで、
給与から差し引かれる源泉所得税が少なくなります。
今年分と来年分の2年分を作成します。
●令和5年分の扶養控除等異動申告書=今年12月31日時点での扶養親族の情報を入力
●令和6年分の扶養控除等異動申告書=来年1月1日時点での扶養親族の情報を入力
結局、入力内容は同じになると思います。
令和5年分の扶養控除等異動申告書に入力した内容は、
令和6年分にも自動転記されます(一部転記されない部分もあります)。
形式的ですけれども、2年分作成してください。
▼「基礎控除申告書」の入力内容
働いている方の99.9%が無条件に受けられる控除です。
忘れずに作成してください。
特に何も入力するものはありません。
そのまま保存して、次の申告書作成に進みます。
高所得の方は
「控除を受けることができません」というメッセージが出たり、
入力画面自体が出ないことがあります。
控除対象外ですので、申告書を作成する必要はありません。
▼「配偶者控除申告書」の入力内容
基本情報で入力した情報や
扶養控除等異動申告書で入力した内容が自動転記されています。
ほとんど何も入力する必要はありません。
高所得の方や配偶者の年収が201万円を超える場合
「控除を受けることができません」というメッセージが出たり、
入力画面自体が出ないことがあります。
控除対象外ですので、申告書を作成する必要はありません。
▼「保険料控除等申告書」は保険会社からのハガキを元に入力
今年支払った保険の内容を入力します。入力に必要な情報は、
保険会社から郵送されてくるハガキ(払込証明書または控除証明書)に
すべて記載されております。これを元に入力していきます。
ハガキには色々な金額が書かれていて、ややこしい部分があります。
毎月の掛け金が100円で、年間1,200円の保険料を
支払っている場合、10月頃に送られてくるハガキには、
例えば、次のように記載されています。
証明書の記載内容 | 保険料控除 | 備考 |
証明書が作成された 時点での払込額 | 800 | 8月末時点の払込額800円が記載されています。 |
今年度払込予定額(A) | 1,200 | 12月まで毎月支払ったと仮定した場合の金額です。 |
割戻額(B) | 50 | 保険会社による保険料割引サービスです。 ゼロの場合もあります。 |
申告額(A)-(B) | 1,150 | 保険料控除等申告書に入力する金額です。 |
年末調整は年間の所得を再計算するものですので、
保険料も年間の払込予定額で計算する必要があります。
アプリには、一番下の申告額1,150円を入力します。
割戻額がない場合は、
年間払込予定額の1,200円をそのまま入力します。
▼「住宅借入金等特別控除申告書」の入力内容
いわゆる「住宅ローン控除」です。
住宅を購入した際の契約書や登記簿謄本、
金融機関から送られてくる「住宅借入金の年末残高等証明書」を
元に入力していきます。
証明書のどの金額を入力するか、よくわからない場合は
小さい「?」マークを押すと、画像説明が表示されます。
令和5年度にローンを組んで、住宅を購入した方が
初めて住宅ローン控除を受ける場合、確定申告を行う必要があります。
令和5年度の年末調整では、控除を受けることができません。
令和6年度以降の年末調整から、住宅ローン控除を受けられるようになります。
申告書の作成が完了したら、
内容を確認して、電子データの出力に進みます。
以下の画面に進んだら、「電子データで出力する」を選択します。
次の画面で、ご自身や親族のマイナンバー提出の有無を聞かれます。
全員「マイナンバーは提出済み」になっていることを確認して
一番下の「電子データで出力する」ボタンを押します。
↓
電子データと一緒にPDFファイルも出力するかどうか聞かれます。
PDFにしておけば、後から入力内容を確認しやすいです。
「はい」を選びます。
↓
「パスワード等の選択」は
「パスワードをかける」を選びます。
基本情報で設定したIDとパスワードが自動設定されます。
↓
電子データが3つ出力されます。
1.「(設定したID)_pass.zip」→開くのにパスワードが必要
2.「(設定したID)_nopass.zip」→開くのにパスワードは不要
3.「(設定したID).pdf」→開くのにパスワードは不要
↓
経理担当者や会計事務所には、
上記のうちPDFデータのみ、もしくは
3つ全部のデータを、そのままメールに添付して送信します。
1番目のパスワード付きデータだけを送っても
経理担当者や会計事務所は開けません。
パスワードが分からないからです。
円滑な年末調整作業ができなくなります。
パスワードはご自身の管理用とお考え頂き、
PDFデータ、もしくは
3つ全部をそのまま送信するのが楽だと思います。
↓
電子データ出力の後、
「添付書類及び控除申告書の提出について」
という画面が表示されます。
そこに表示されている書類は、
電子データと一緒に、経理担当者や会計事務所に提出します。
保険会社からの証明ハガキ等です。
提出方法は、写真画像データやPDF等、
会社の方針に従ってください。
ハガキ1枚につき写真1枚を撮る必要はなく、
複数枚をまとめて1枚の写真に撮っても大丈夫です。
添付書類データは、
アプリ出力の電子データとは別のデータとして、ご提出ください。
写真や画像データをアプリに取り込む必要はありません。
【令和5年度の途中から入社した従業員の方】
前職の会社を退社する時に
退職時までの給与額が記載されている
「源泉徴収票」をもらっていると思います。
年末調整は年間の給与収入を元に計算しますので、これも必要です。
「添付書類について」には表示されませんけれども、
合わせて提出してください。
アプリの入力を始めてから、いったん一時保存し、
後からまた入力する場合の操作方法を説明します。
各種申告書を作成する画面の下の方に
「一時保存」ボタンがあります。
下図の青い枠です。これを押すだけです。
入力再開は、ホーム画面にある、
下図の赤い枠のボタンから可能です。
アプリに入力した情報をいったん全部消したいという場合は
ホーム画面の右上にあるメニューを開きます。
そこで「あなたの情報の削除」を選ぶと、
基本情報や各種申告書の作成情報が消えます。
下の赤い枠です。
毎年10月に、最新版のアプリが公開されます。
年末調整はその年の最新版アプリを使う必要があります。
繰り返しになりますけれども
アプリは来年までアンインストールしないでください。
新しい年度版アプリへの更新(アップデート)ができなくなるからです。
以上が、国税庁「年末調整」無料アプリの操作方法になります。
Q&Aにも情報がございます。
次のリンク先をごらんください。
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